子供のわきが手術 汗腺を除去

子供のわきが手術 汗腺を除去

治療を始めるに至るまで

うちの子供が11歳の時、小学校5年生の3学期になるとそれまで元気で楽しそうに学校に通っていた子供が急に口数が少なく、友達ともあまり遊ばなくなりました。それまでは週に2〜3回は友達の家に行ったり、家に遊びに来たり、目に見えて友達関係が友好な状態だったので急な変化に不思議には思ったものの、中学受験をする子も多い地域に住んでいるので、6年生も近くなるとあまりみんな時間が無いのかなと友達と放課後に遊ばなくなったことを重くは捉えていませんでした。でも、3学期がもうすぐ終わろうという時に担任の先生から私が呼び出されました。

その理由は、うちの子供がどうもクラスでいじめのような状態にあるということでした。「いじめ」とはハッキリと先生は明言しませんでしたが、クラスでからかわれていて、今まで仲の良かった子たちも一緒に遊ばなくなっているとのことでした。仲良しの子たちがいじめをしているのか、うちの子供が心を閉ざしてしまったのかはわかりませんが、どちらにしても友達と遊ぶ姿が見えなくなったわけはいじめにあったのです。そして、先生から皆にからかわれる原因は「臭い」だとも言われました。子供の身なりからして不潔にしてるようには見えないので、おそらくわきがではないかと指摘されました。「失礼ながら」という前置き付きでしたが、先生が確認してみたところ、おそらくわきがだとのことです。

実は私もわきが体質です。私の場合はそれほど症状が重いわけではないので、塗り薬で抑えることができています。最近は性能の良いわきが専用用品が出ているので臭いは大分抑えられていますが、気候や服装の状態によっては臭いが気になることがあります。わきがの臭いが身近にあるために、子供の臭いに気付くことができなかったのだと思います。子供には気づかれないように気をつけて臭いをチェックしてたところ、間違いなくわきがの臭いがしました。直接言うのは傷つけてしまうかとも思いましたが、まだ小学生ですし、これから思春期の敏感なお年頃を迎え、多くの出会いもこの先待っている人生なので早い段階で完治させてあげたいと思い、そのためには病院で診察を受けることは必須と考えました。

そのためには本人も理解していないと難しいので、敢えてハッキリとわきがについて子供と話し合うことにしました。お母さんもその体質だから気付かなかったけど、辛い思いをしたね、でも治るものだから大丈夫だよ、と。これまでいじめに対しても気丈に弱いところを見せなかった子供ですが、初めて目の前で泣きました。号泣でした。辛い思いをさせてしまったのだなと私も泣けてきてしまいましたが、泣いている場合ではなく、まずは信頼できる医療機関を探そうとネットの口コミやご近所の人に聞いてみたり、情報収集に努めることにしました。そして、まだ小学生なので治療は塗り薬といったソフトな方法だけかと思っていましたが、手術も行える場合もあるということで、これは完治への道が開けたと明るい気持ちになれたのを強く覚えています。

 

実際の治療はこのようなものでした

ネットでもご近所の噂でも口コミ評価の高い近所の総合病院を受診して見ることにしました。私は病院の治療は受けていないので治療の場をみるのは初めてだったのですが、わきがと診断されるまでは割と古典的な方法でした。脇に専用の紙を挟み、その臭いをお医者さんが嗅いで判断するというものです。うちの子供は間違いなくわきがだそうです。そのため、保険適用で治療が受けられると言われました。診断されたことで「やっぱりそうだったのか」という残念な気持ちと、でもこれで完治に向けて動き出せるという前向きな気持ちが半々でしたが、子供はどこかホッとしているように見えました。

うちの子供は重度に当てはまるほどの症状があるので手術も視野に入れた方が良いと言われました。年齢的にも11歳で、既に生理が始まっていることから、第2次性徴には至っているということで、今後成長の過程でわきがの原因となる汗腺が増えることはないそうです。わきがの原因はアポクリン腺という汗腺から分泌される汗が原因です。とはいえ、汗自体は無臭なのですが、汗に細菌が繁殖することで臭いが生じます。人間の体にはエクリン腺という汗腺も存在し、体全体に張り巡らされているのはエクリン腺です。運動した時や暑い日にかく汗はエクリン腺からの汗で、塩分と水分から成っているのでサラリとしています。

一方でアポクリン腺からの汗は尿素やアンモニア、色素などの成分がエクリン腺からの汗よりも豊富なのでネバッとしていて、栄養素が豊富な分、細菌も繁殖しやすく臭いが強くなるのです。うちの子供はアポクリン腺が他の人よりも大きく、汗の量が多いため臭いも他の人よりも強くなってしまうようです。わきが治療の手術法は多数開発されているのですが、保険適用を望むならば剪除法という術法になります。これは脇の下を5cmほど切開して目視でアポクリン腺を除去していく方法です。シンプルな術法ですが目視で確認しながら問題の汗腺を除去できるので、完治率が高いのが特徴だそうです。

手術をしても再発するという話も度々耳にしますが、再発の原因は除去しきれていない汗腺が残ってしまうことにあります。その点、剪除法は取りこぼしが少ない術法なので、完治しやすいのです。ただ、剪除法は5cmほど切開するため、半年〜1年は青あざのように傷跡が残ることと、しばらくは力を入れられないため方側ずつの手術となり、入院を伴います。それが嫌な場合は保険診療外になりますが、傷痕が小さく済む吸引法などの別の方法もあると勧められました。

でも、吸引法は目視で汗腺を除去するわけじゃないので、その病院の場合は剪除法よりも再発のリスクがあるということで、完治第一で剪除法を受けることにしました。3週間ほどある春休みに手術を受けることにして、4月からは臭いの無い体で新年度を迎えることができました。お陰様ですっかり完治することができ、元の明るい子供に戻りました。仲良しだった友達からは「あの時はごめんね」と泣いて謝られたそうで、わだかまりなく学校生活を楽しめているようです。